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民事

A. 消費者保護

1. 消費者契約法

(1) 不当な勧誘行為による契約の取消し(4条)

(イ)重要事実の不実告知(1項1号)
(ロ)断定的判断の提供(1項2号)
(ハ)不利益事実の不告知(2項)
(ニ)不退去または退去妨害による困惑(3項)

取消権の行使期間は、知った時から6ヶ月、契約の時から5年。

 

(2) 契約条項の無効(8~10条)

(イ)損害賠償責任や瑕疵担保責任を免除する条項は、無効。(8条)
(ロ)損害賠償の予約や違約金のうち、「平均的損害」を超える部分は無効。(9条1号)
(ハ)遅延損害金は、年14.6%まで。(9条2号)
(ニ)その他消費者の利益を一方的に害する条項は、無効。(10条)

・大学入学金
「理由の如何を問わず一旦納入した学納金は一切返還しない。」との条項につき、入学金は返還請求できないが、前納の授業料は、(2)(ロ)により、返還請求できる。(最判平18)

・学習塾
「契約の解除は認められず、前払いした授業料は、いかなる場合にも返還されない。」との条項につき、(2)(ニ)により無効だが、途中まで受けた授業料に相当する部分は差し引かれる。(東京地判平15)

・スウィミング・プール
本件廊下は、水着のままで上がってくる利用者が通行するため、滑りやすいという危険性がある。施設の設置または保存に瑕疵があるため生じた事故につき、 スポーツクラブの免責特約は、(2)(ニ)により無効である。もっとも利用者の過失を4割相殺。(東京地判平9)

・建物建築請負契約
「施主(消費者)の都合で契約を解除するときは、請負代金の(例えば)20%の違約金を支払わねばならない。」という特約は、(2)(ロ)により、その業者の「平均的損害」を超える部分で無効である。(千葉地判平16、東京地判平18、最判平18)

 

2. 特定商取引法

特定の商品、サービスまたは権利に係る、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘因販売取引、送りつけ商法に適用される。

(1)クーリング・オフ
「契約書面の受領日」から8日(マルチ商法と業務提供誘因販売については、20日)以内に行使しなければならない。期間内に内容証明郵便を発送すればよい。

交付された「契約書面」に重要な事項で不備があるときは、起算日が到来したことにならない。
商品の返送費用は、業者の負担(9条2項)。
提供済みサービスの対価と原状回復費用は、支払い不要(同3項)。

(2)不実の告知の禁止(6条)
重要事実の不告知
威迫困惑行為の禁止
販売目的を隠して公衆の出入りしない場所で勧誘する行為の禁止

(3)過量販売による解除 ただし契約時より1年以内。(平20改正)

(4)送りつけ商法
商品を受領した日から14日までに業者が引き取らないときは、業者は、返還請求権を喪失する。

(5)中途解約
「特定継続的役務提供」(学習塾、英会話学校、エステサロンなど)の中途解約の場合、 少なくとも、提供されたサービスの対価に相当する部分に、その5分の1または5万円のいずれか低い方を加算した額を、返還しなければならない。(特定商取引法49条2項1号 )

NOVA英会話学校は、一定の年限内に消化されなかったポイントは消化されたものとみなすとか、契約時の単価より低い単価を適用して解約返戻金を計算する約款を適用していたが、いずれも前記条項に違反して無効と判断された。(後者につき最判平19)

 

3. 割賦販売法

(1)クレディット会社に対する抗弁の対抗(支払の拒絶)
信用購入あっせんやローン提携販売(30条の4および5、29条の4)については明文がある。
その他の場合でも、「あっせん業者(信販会社)において販売会社の不履行に至るべき事情を知り、または知りうべきでありながら立替払いを実行したなど右不履行の結果をあっせん業者に帰せしめるのを信義則上相当とする特段の事情のあるとき」は、抗弁権の接続が認められる。
一定の場合には、既払金の返還請求もできる。

(2)過量販売
特定商取引法で販売契約を解除できるときは、本法によりクレジット契約も解除できる。

 

4. 名義貸し

銀行が住宅ローンの貸付を行う際、借主が単に名義を貸したに過ぎないことを知っていた場合、貸主としての保護に値しない。(最判平7)

車の登録名義に名義貸しを頼まれた者の場合、販売店は信販会社の代理人に準ずる立場にあったから、販売店の店員が名義貸しを知っていた場合、民法93条但書により信販会社からの請求はできない。(東京高判平12)ただし、顧客の過失を5-6割認める判例が多い。

 

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B. 交通事故

※ 交通事故の被害者になった場合、加害者側の保険会社が交渉の相手方になることが多い。保険金の提示があったときは、詳細な計算書の提出を要求し、弁護士にチェックして貰うのがよい。
保険に固有の問題は、「保険法」「B 自動車保険」で述べる。

 

1. 自賠責法

(1)「運行供用者」

(2)「運行によって」
(最判昭63)
挿入用の枕木が装置されている荷台に、フォークリフトを使って荷降ろし中の事故につき、自動車の「固有の装置」を使用していたから「運行によって」といえるとされた事例。
(神戸地判平16)
夜間に違法駐車していた自動車が追突された事故について、駐車中とはいえ追突された自動車の「運行によって」生じた事故といえるとされた事例。

(3)複数の運行供用者
運行供用者のうちの一人(例えば社長)が被害にあった時、ほかの運行供用者(例えば会社 )に対して請求する(保険金を請求する)ことができるとは限らない。
ほかの運行供用者の方が、より「具体的、直接的、顕在的」な運行供用者である場合には、請求できる。
運行供用者が同乗していて、運転代行業者の運転ミスにより被害を受けたときは、運転代行業者の方がそのような運行供用者であるから、代行業者に請求できる。

 

2. 実費の弁償

・医師の認めた職業付添人の費用は、全額認められる。
・近親者による入院付添費用は、日6,500円。
・同通院付添費用は、 日3,300円。
・入院雑費は、 日1,500円。
・交通事故の治療では、健康保険の利用を断わられることがある。しかし、交通事故だからといって健康保険が利用できない理由はない。健康保険を利用するなら診断書や医療費明細書などを書けないといってくることがある。この場合は、保険会社に通報するのがよい。
自由診療による高額医療費が保険会社によって拒否され、裁判になることがよくある。判例では、1点15~20円を超える部分が否定される、のが主流である。勿論1点10円(健康保険の水準)にまで下げられることもある。金額は、治療の緊急性や症状による。
被害者としては、医療費が高くなるとすぐ自賠責の限度額いっぱいになるし、保険が否定されると自己負担となりかねないから、簡単な問題ではない。
手術の前に「手術の結果について責任を問わない。」との一筆を患者から欲しがる医者がいる。何枚渡しても無効である。

 

3. 休業損害

・主婦など家事従事者は、女子労働者の全年令全学歴平均賃金による。
・鞭打ち症
12級12号「局部に頑固な神経症状を残すもの」
14級10号「局部に神経症状を残すもの」
労働能力喪失率 前者 14%
労働能力喪失率 後者  5%

自賠責の実務では、局部の神経症状が「他覚的所見によって医学的に証明される場合」は前者、「単なる故意の誇張ではないと医学的に証明される場合」は、後者。
労働能力喪失期間は、東京地裁では、原則的に前者10年、後者5年。
労働能力喪失率も喪失期間も、職業、年齢などとの関係で増加されることはある。

 

4. 傷害の場合の慰謝料

例えば、入院2ヶ月および通院(週2回以上)4ヶ月で165万円。障害の部位、程度により2~3割増し。(自賠責では日4200円)

 

5. 後遺症

・例えば、障害5級の場合、労働能力喪失率79%、(自賠責による逸失利益は1574万円、慰謝料599万円。)裁判所による慰謝料は1400万円。裁判所では自賠責保険金の8割程度を後遺症の慰藉料とみている。
・近親者による介護費用1日8000円。生涯治らない場合は、平均余命年数まで。

 

6. 死亡

・葬儀費用は150万円 ( 自賠責では60~100万円 )
・生活費の控除

一家の支柱(被扶養者1人)
(被扶養者2人以上)
40%
30%
女子(主婦・独身・幼児を含む) 30%
男子(独身・幼児を含む) 50%

・就労可能年数
18才(又は大卒から)~67才(56才以上では平均余命の半分) 年金の収入は平均余命年数まで。
・退職年金や老令年金は、現に受けているものや近い将来受給することが確実なものは、逸失利益に入る(最大判平5)が、遺族年金や加給年金(配偶者や子について加算されるもの)は、保険料が払われたわけではないし、社会保障的性格が強く逸失利益に算入されない(最判平11、12)。
・幼児、生徒、学生、専業主婦、比較的若年者の収入は、全年令男女別平均賃金または学歴別平均賃金による。
全年令平均賃金は、平成18年の統計で男年555万円、女年343万円。
・年令別年収(平成18)

 
20~24才 311万円 273万円
40~44才   386万円
50~54才 688万円  
60~64才 430万円 286万円

慰藉料

一家の支柱 2800万円
母親・主婦 2400万円
その他 2000~2200万円

(自賠責では本人350万円、遺族550~750万円、被扶養者がいるとき、プラス200万円)

 

7. 過失相殺

 

 

8. 損益相殺

相殺するもの 給付が確定した社会保険給付金(労災、遺族年金等)(最大判平5)
所得補償保険金(商法662条1項により保険代位が認められている。)(最判平元)
相殺しないもの 生命保険金、生命保険に付加された傷害・入院給付金(最判昭55)
生活保護の扶助費
雇用保険給付金
未確定の社会保険給付金(確定し受給したときに不当利得返還請求の対象になろうか。)傷害保険の入院給付金
定額の搭乗者傷害保険金(最判平7)
労災保険上の特別支給金

 

9. 配偶者など

 

 

10. 被害者による刑事手続の利用

・「第1回の公判期日から終結まで」の間であれば実況検分調書などの訴訟記録の謄写を裁判所に求めることができる。(犯罪被害者保護法3)
・ 示談の内容を公判調書に記載して貰うと、裁判上の和解と同一の効力を有する。(同法4)

 

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C. 学校事故

1. 柔道-判例

・中学生-重度の知能障害(日本体育・学校健康センタ-法施行規則別表)

入通院慰藉料 300万円
後遺障害慰藉料 1600万円
両親 各100万円

・ランニング中脱水、熱射病により死亡

本人 1400万円
両親 各300万円

・中学生-頭部を打って死亡

本人 1300万円
両親 各100万円

2. 野球-判例

・高校生-打球が投手直撃-半身不随の障害1級(東京高判平6)

入院慰藉料 300万円
後遺障害 2000万円

・中学生-マスクをつけずに主審-ファール・チップで視力障害(10級)(京都地判平5)

後遺障害慰藉料 350万円(4割の過失相殺)

・高校生-心不全による死亡(水戸地土浦支判平6)

本人 1800万円
両親 各100万円

・高校生-打球による視力障害(10級)(神戸地尼崎支判平11)

入院慰藉料 80万円
後遺障害慰藉料 480万円

・高校生ーダブル・プレイの練習中ー右眼失明(大阪地判平11)

入院慰藉料 100万円
後遺障害慰藉料 900万円

 

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D. 医療過誤

1. 責任または損害の割合的認定

(統計上の救命率)
・くも膜下出血の出血後24時間から48時間以内に手術をすれば生存率は高いが、3日以上経過すると低くなる。過失により転院が遅れて死亡した場合、その起因力を6割と認定。(奈良地葛城支判昭59)
・患者が第2から第3病日までに手術ができなかったことによる起因力を35%。(広島地判昭62)
・根治手術を受けていれば死亡を回避し社会復帰ができたとみられ、軽症のくも膜下出血の診断の困難性を考慮して起因力を8割。(福井地判平元年)

(因果関係の不確定的要素)
・未熟児網膜症で眼科医による受診勧告が適時になされておれば、光凝固の適応時期を過ぎておらず、失明を回避できた可能性があり、その寄与率は6割。(釧路地網走支判昭54 )
・硬膜下出血の除去手術を適時になしておれば救命率は高かった。死亡による損害の6割。(岡山地判昭58)
・交通事故による内臓損傷による死亡と経過観察の懈怠による過失を5分5分。(東京地判昭62)
・抗結核剤の副作用による失明、逸失利益の4割。(神戸地判平3)
・未熟児網膜症で光凝固法を適用しなかったことによる失明、5割。(広島高判平6)
・肝硬変の患者について肝細胞癌を早期に発見するための検査を実施しなかったため遅くとも死亡の6ヶ月前に肝細胞癌を発見しえたと認められるのに死亡。(最判平11)

(延命期間の短縮、残後遺症の可能性)
・舌癌に対する化学療法後の検査が不充分であり再発を見逃した。適時に手術をしていても7割程度労働能力が喪失していたと認められ、医者の過失による喪失3割。 ( 東京地判平元 )
・気管支喘息発作により点滴注射を受けた幼児が呼吸・心臓停止。医者が直ちに人工呼吸を施せば少なくとも最重度の後遺症を残すことはなかった。しかしそれを施していたとしても重度の後遺症を残した可能性は5割。(札幌高判平4)
・初診時に検査を行えば脳梗塞を発見でき、薬物療法を行っていれば後遺症を相当軽減できた。5割。(大阪地判平9)
・胃癌の患者が医者の過失により死亡したが、その過失がなくとも就労期間は12年、年収は5割であったと認められる。(広島地判平9)

(素因減額)
・椎間板ヘルニアの根治手術による両下肢麻痺。この手術による労働能力喪失8割。(横浜地判昭61)
・未熟児網膜症で患者が極小未熟児の場合、過失の寄与度5割。(東京高判昭63)
・経口麻酔剤の投与による患者の死亡。喘息の持病の要因が5割。(東京高判平6)

 

2. 説明義務

(1)リスクの高い手術をする場合、しっかりした説明をして患者の同意を得なければならない。しっかりした説明がなされておれば、患者は同意しなかったであろうと認められる場合は、(手術自体に過失が認められなくとも)結果たる死傷に責任を負わなければならないことには、問題がない。次のような事例がある。

慰藉料 逸失利益
1000万円 800万円(横浜地判昭54)
2000万円 2900万円(新潟地判平6)
1000万円 1300万円(宮崎地判平6)

 

(2)リスクの高い手術をする場合、いずれにしろその手術を避けることができない場合は、手術の結果について(過失が認められない限り)、責任を負うことはない。しかし、しっかりした説明がなされなかったことにつき、慰藉料の支払いを命ぜられることがあり、分かりにくい。

以下に掲げるものは、比較的高額の慰藉料が認められた事例であり、個々の内容を検討する必要がある。

(イ)広島地判平元・5・29(判時1343)慰藉料1200万円
子宮の筋腫だけの摘出をすべきところ、患者の承諾を得ずして、子宮を摘出した。単なる説明義務違反ですまないと思われるが、判決文に当っていない。

(ロ)東京地判平4・8・31(判時1463) 慰藉料600万円
29才の主婦が東大病院で脳動静脈奇形の摘出手術を受け、2日後に死亡した。
手術上の過失は認められない。
手術のメリットは説明したが、その危険性については手足の麻痺の後遺症は出るかもしれないが、死亡の危険性は飛行機事故なみの確率であると説明したのみであった。
十分な説明を受けていても手術を承諾した可能性は否定できない。
手術の緊急性はなかった。
手術するか保存的治療に委ねるかの選択はあった。

(ハ)不利益事実の不告知
福岡地判平5・40・7(判時1509)慰藉料700万円
25才の未婚女性が陥没乳頭手術をしたが、右側の乳頭壊死、授乳不能。左側の乳輪切開部分に傷跡が残る。医者の主張する乳腺腫瘍の手術は必要と認められない。整容目的での陥没乳頭手術と認められる。「陥没乳頭は、一般に乳腺炎や乳癌になりやすいから手術をした方がよい。手術方法は、乳輪の中を切るだけで傷はほとんど残らない。」と説明しただけで、予想される傷跡の説明はしていない。整容目的の手術は、緊急性も必要性も乏しいから、一層の説明を要する。

(ニ)仙台高判平6・12・15(判タ886)慰藉料800万円

(ホ)東京地判平8・6・21(判時1590)慰藉料1600万円

13才が脳動静脈奇形の全摘出手術を受けた。
手術前は、おおむね健常者に劣らぬ生活をしていたが、手術により第2級の重度障害者となり、12年後死亡した。
「手術を受けないと生命を全うできた可能性は決して高いものではなかった。」
「充分の説明を受けても手術を受けた可能性は小さくない。」
手術に技術的な過失があったとはいえない。
「手術を受けなければ重篤な傷害を直ちに負うことなく当分の間生活できた可能性はある。」
「手術は必ずしもこの時に行わなければならない程緊急のものではなく、あえて当面は手術を受けず従前の生活を継続するとの選択もありえた。」

 

3. 診療記録の開示請求

「証拠保全手続」によるか個人情報保護法による。

 

(1)証拠保全手続による対象の一例
・診療録(カルテ)
・医師指示票
・看護記録
・レントゲン写真、CT、MRI、エコー写真
・腫瘍生検結果
・生物検査で採取した組織標本
・その他諸検査結果票
・診療報酬明細書(レセプト )の控え
・その他同人の診療に関し作成された一切の資料及び電磁的記録

・その他
産科につき・・・分娩監視装置の記録
院内感染事件につき・・・感染防止マニュアル

 

(2)個人情報保護法による開示請求
個人情報取扱事業者以外の者に対しては、厚労省「診療情報の提供等に関する指針」 (平15/9/12医政発)による。
その対象は、
・診療録(カルテ)
・処方せん手術記録
・看護記録
・検査所見記録
・エックス線写真
・紹介状
・退院した患者に係る入院期間中の診療経過の要約その他の診療の過程での患者の身体状況
・症状
・治療などについて作成
・記録又は保存された書類
・画像などの記録
(上記「指針」)

診療報酬明細書(レセプト)は、各種保険者に対する個人情報保護法による開示請求。

 

4. 死体解剖

患者が死亡し、遺族が医師による死因の説明に納得できないときは、時期を失しないうちに、死体の解剖を求めるのがよい。日本は、米英豪に比べて、死因究明のための死体解剖が極端に少ないが、遠慮すべき理由はない。

死因として医師の過誤が強く疑われる場合は、警察に通報し、司法解剖を求めることもできる。医師は、死亡に異常があるときは、24時間以内に警察に届け出なければならない。(医師法23条)

 

5. 臓器移植法(平成9)

法成立後の6年間で29人の提供者があった。期待よりかなり少ない。

提供先は、心臓19回、肺16回、肝臓24回、膵臓2回、腎臓36回、膵臓腎臓同時11回。

提供を希望する者として登録されている者は、心臓75、肺75、肝臓70、腎臓1万2555名。

脳死発生は、年約8000人に対し、ドナーカードの所有率は、9~10%。

移植を受けた者の死亡は、肺4例、肝臓4例、腎臓3例、小腸1例で、移植技術は移植先進国に遜色ないといわれている。

本人の書面(ドナーカード)による生前の同意を要するとするのは、諸国に例を見ないほど要件が厳しく、緩和の方向で検討がなされよう。また、15才未満の者による同意を許さない結果、小児に対する移植の途がない。費用負担についての制度が整備される必要も高い。

第1回目の法的脳死後、6時間を経て第2回目の脳死判定がなされ、それを待って移植施設とレシピエントの手術のためのチェックがなされるが、時間的余裕がないばかりでなく、提供側の病院の熱意が少なく、臓器移植ネットワークへの通報が心停止後になる場合が非常に多いといわれる。

眼球と腎臓については、法附則第4条による経過措置として、心停止後も遺族の同意のみで許されていることを知らない病院が多く、腎臓移植の例がかえって減少しているといわれている。

 

改正臓器移植法(平成22/7から施行)

法制定後の10年間で脳死臓器移植は80余例に過ぎない。改正法は要件を少し緩和した。その要点は次の通り。

(1)ドナーが脳死についても臓器提供についても何もその意思を明らかにしていない場合、遺族の判断で臓器移植が可能になった。(この結果、小児の臓器移植も可能になる。)

(2)ドナーが臓器提供の意思を明らかにする場合、自分の親族に優先的に提供する意思を表示しておくことが可能になった。

 

6. 長坂健次郎「日本の医療制度 – その病理と処方箋」(東洋経済2010/6)

(1)日本の医療費の総支出額は33兆円(うち薬剤費は7兆円)
収入は、公的医療保険料16兆円、患者の病院への支払い5兆円、差引-国・地方公共団体の負担12兆円
このほかに介護保険総支出額6兆円、公的負担3兆円

 

(2)日本の医者の数は比較的少ない。人口1000人当たりの医師の数(2009年OECD)

米国 2.4人
英国 2.5人
フランス 3.4人
ドイツ 3.5人
日本 2.1人

(3)諸国の医療費(2007年OECD)

  日本 米国 英国 フランス ドイツ
一人当たり医療費 8.1% 16% 8.4% 11% 10.4%
医療費のGDP比 81.3% 45.4% 81.7% 79% -%
公的負担の割合 6.6% 7.3% 6.9+%
公的負担のGDP比

米国は、セイフティーネットに公的負担を限りながらも、意外に公的負担が多い。
日本・英国は、皆保険制をとりながら公的負担が少ないのは、医療費を強く圧縮していることを示している。

 

(4)日本の病床数と入院日数は、極端に多い。(2007年OECD)


  日本 米国 英国 フランス ドイツ
入院日数 34.1日 6.3日 8.1日 13.2日 10.1日
病床数(1000人当り) 13.9床 3.4床 7.1床 8.2床

 

【米国の特徴】
・社会的弱者のためのセイフティーネット以外は、民間医療保険に委ねている。民間医療保険料はかなり高い。
・セイフティーネットとは、65歳以上のためのメディケア、低所得所得者
・身体障害者のためのメディケイド、これらの子どものためのシップ。

【ドイツの特徴】
・上位1割の富裕層は、公的保険に加入しなくてよい。
・保険医は、地域ごとに定員制であり、定年もある。

【英国の特徴】
・病院での治療費は、無料。
・公的保険料は、一般に所得の1割。使用者もほぼ同額。
・地域のホームドクターに登録し、その紹介状がないと地域の大病院に行けない。そこでの治療待ち期間が極めて長くなっている。

【日本の問題点】
・診療点数も薬価基準も国が決定し、全国一律。
・公的医療保険ですべてをカバーする。「混合診療」の禁止。すなわち、公的保険医療以外の医療を利用するとすべての医療が保険外とされる。最近になって併用を認める範囲が徐々に増えている。
・診療点数の加算制(過剰医療の危険)
・国民健康保険の保険料未納者が国保全世帯数の19%に達している。

 

(5)薬価

・新薬は、販売承認後2~3ヶ月で薬価が国により決定される。「類似薬効比較方式」による。それに外国平均価格調整がなされる。
・その後は、2年ごとに病院への納入価格の実績の加重平均値により、減価していく。

・新薬のテスト期間が極めて長い。(上位100品目、2007)

日本 4.7年
ドイツ 1.4年
英国 1.3年
米国 1.2年

・ジェネリック(特許切れ)医薬品の価格が高い。
医薬品の特許は、原則20年(時にプラス5年)。
テストを受け許可が出るまで10~15年かかる。従って、特許に基づき独占的に販売できるのはせいぜい10年。
ジェネリック薬品の価格は、米国では通常のオリジナル品の10~20%(工場出荷ベース )、日本では、ジェネリック初上市の場合、7割。

 

(6)提言

・医療財政の破たんを救うには、高齢者その他の社会的弱者(低所得者、障害者、難病患者、それらの子ども)に公的支援を集中し、その他は民間保険に委ねるしかない。
・国民健保、協会けんぽ、組合健保から老人健保拠出金をはずす。これによって各健保とも赤字を脱することができる。
・65才以上の高齢者健保制度を作る。加入者は年12万円の健康保険料を払う。収入がなくとも資産があるひとは、リバースモーゲージを利用する。受益者負担は、一律1割とする。
64才未満の人は、将来の加入のために年収入の2%を納める。赤字は国が負担する。
・低所得者健保制度を作る。加入者は、保険料は免除されるが、受益者負担は必要である。赤字は国の負担とする。
・64歳未満の国民は、選択により健保組合や民間保険会社を決める。健保組合、民間保険会社や国は、保険者として薬品メーカーや医療機関と個別に薬価や診療報酬について交渉する。 

 

7. 「医療の常識を疑え」(文芸春秋2010/11月号)

(CT検査)近藤 誠
CT(コンピューター断層撮影法)検査の被ばく線量は、X線撮影の200~300倍。それだけ発がんリスクは高い。
1993年の段階で日本のCT設置数は、世界の3分の1以上に当たっていたが、その後も大幅に増えている。
なにしろ簡便だから「とりあえずCTをやりましょう」「念のためCTを」ということになる。

 

(胃ろう)石飛幸三
・特養ホームで、何の反応もなく寝たきりで、朝昼晩時間がくると「胃ろう」で栄養剤をポタポタ入れて、ずっと生き続けている人たちを目に本当にびっくりしたんです。人間こうまでして生きていかなければならないのか、と。
・胃ろうは局部麻酔で10分くらいで終る簡単な手術なのですが、診療報酬は約1万点もあり、病院の請求額は約10万円です。それに対し自己負担はわずか1万円。だからこんなに数が増えるんです。簡単に儲かるわけですから。終末期医療は、数日で数百万円も稼げることもある、医師にとってはドル箱なのだ。
・ある患者の夫が言った。
「女房が物事を認識できているのであれば、胃ろうでも何でもつけて一日でも長く生きていてほしいが、亭主の私のことはもちろんのこと、自分が誰かもわからない女房を、胃ろうをつけてまで生かすことは、世話になった女房に恩を仇で返すようなものだ。俺にはできない。」
そう言って胃ろうをつけずに特養ホームへ帰りたいと訴えた。

 

(インプラント)弘岡秀明
インプラントにも、天然歯と同様、歯垢(プラーク)が付着し、周囲粘膜に炎症がおきることはある。(インプラント周囲炎)
インプラントは、その施術前に虫歯や歯周病の治療が終っていることが大前提である。
施術後のメインテナンスもしてくれる歯科医でなければならない。
ひとたび歯周病菌の感染が骨まで及ぶと、その形態から天然歯と違い、インプラント表面からプラークを除去することは、困難である。インプラント周囲炎の本質的な治療法は、まだ見つかっていない。

 

8. 会田薫子「延命医療と臨床現場」東大出版会2011/7

・胃ろうキットの販売数は、2005年以後年10万本程度で推移してきている。その累積で2010年現在胃ろう患者は約56万人に上ると見られる。その大半はインフォームド・コンセントの困難な寝たきりの後期高齢患者である。

・胃ろう増加の要因は、次の通り。
(イ)急性期病院(通常20日から1ヶ月程度)から慢性期病院への転院のときに、後者は胃ろうを造設してから転院してくることを求めることが多い。
(ロ)胃ろうの保険点数が2002年から9460円に急上昇した。
「胃ろうが儲かるということも、病院によってはあると思いますね。」
(ハ)胃ろうが病院にとって管理しやすく、患者にとって苦痛が少ない。

・自分が患者なら胃ろうによる延命を望むか、との質問に対し、インタービューを受けた30名の医師のうち、16名は受けない。4名は、自分は望まないが家族が望めば受ける。1名は受ける。

・自分の両親が患者の場合は、30名の医師のうち、10名は望まない。(苦しめたくないから、予後が予見できるから。)19名は他の家族や兄弟との相談が必要。積極的に肯定したのは1名のみ。

・老年医学専門医たる植村和正(2000)は、「老衰の過程で生じる摂食不能を放置した死は脱水死であり、苦しみは少なく死亡までの期間も短く、治療による苦痛もない、ある意味で理想的な死に方である。」と述べている。

 

9-1. 林晋哉・林裕之「歯医者の言いなりになるな!- インプラントの危険性」(角川書店 2010)

・インプラントは歯科大ではほとんど教えていない。卒後の材料メーカーが主催する研修会で学ぶ。そのため技量の差が激しい。

・平均的日本人は、男女とも、51才頃から歯が抜け始め、65才頃から抜ける頻度が速まり、73才頃には上顎は歯無し、下顎もそれに似た状態になり、80才では6割強の人が総入れ歯になる。(平成11厚労省調査)

・咀嚼システムを守るためには、入れ歯であれ何であれ、全体の歯の本数をきちんとそろえ両側で噛めるという状況を常に維持していくことが重要である。

・人工の歯は、どんなに精巧に作られていても、入れた後の微調整と咀嚼システムとの適応が必要である。歯ぐきをはじめとする口の中の状態は、年をとるにつれて変化していく。

・入れ歯を作るのは手間がかかるのに保険点数が低いので使えない入れ歯が量産されている。
保険診療で総入れ歯を作ると、歯科医には約6万円が入る。ここから材料費や技工士への報酬(約2万5000円)その他の経費を差し引くと割の合わない仕事となる。
自由診療でやるしかないことになる。

・インプラントを植えるのは歯を失ったからであるが、その原因が歯周病であれば、残っている他の歯も歯周病である可能性が高いから、インプラントを植えた部分に歯周病が波及するかもしれない。

・インプラントを植えてガチガチ噛んでいたら、歯や顎に大きな影響がある。天然歯であれば歯根膜でかなり衝撃を吸収するが、インプラントでは噛みあう衝撃が顎骨にダイレクトに伝わる。

 

9-2. 矢島安朝「本当に聞きたい!インプラントの話」角川新書2013

・大学でインプラント学の講義が本格的に始まったのは、2004年頃からのことで、学生時代にインプラント学の講義や実習がなかった歯科医師が大半である。インプラント教育を充実させようと大学側が行動を開始したのは、ここ数年のことである。(69、159頁)

・重篤なトラブルの内訳をみると、「下歯槽神経損傷」27.8%が最も多く、その他の神経損傷を合計するとトラブル全体の37.5%を占める。(73頁)

・インプラントを1本入れるのにかかる費用は、通常40~50万円である。(112頁)

・インプラント埋入手術の前には、インプラント体を埋め込む骨の幅や高さや、周辺の神経管の位置を正確に把握しておくことが必要で、CT撮影は必須である。
CTは非常に高額な装置なので、インプラント治療を行う一般の歯科医院に設置されていることは稀で、多くの場合、近くの大学病院や医療センターなどで患者のCTを撮影し、その画像を担当医が入手して治療計画を立てるのが一般的である。(152頁)

・今のところ、信頼できる唯一の肩書と言えそうなのは、「公益社団法人日本口腔インプラント学会」と「公益社団法人日本顎顔面インプラント学会」の専門医・指導医ではないかと思います。(162、184頁以下)

 

10. 椎貝達夫「患者よ あなたに透析は必要か」文藝春秋2011/12~2012/1

・日本の透析患者は29万7000人を超えた。台湾に次ぐ世界第2位の透析大国である。年に3万7000人が新たに透析を始め、2万7000人が死ぬので毎年 1万人のペースで増えている。

・透析が必要な慢性腎不全患者は、身体障害者 1級の認定を受けることができるので、月1万円ほどで透析療法を受けられる。

・私は、「慢性腎不全保存療法」を試みれば、透析を導入しなくても日常生活を営める腎不全患者が3万7000人のうち1万3000人はいると考えている。

・透析は慢性腎不全患者の生命を救うが、いったん始めると残っていたわずかな腎機能をさらに下げてしまうので生涯にわたって続けなければならない。また通常週3回、1回約4時間かかる医療を受けなければならない。

・腎機能が60%を切れば「慢性腎不全」と診断されるが、透析の必要なのは、これが5~7%以下にまで落ちてきたときである。この間を「保存療法」によって進行を遅らせるのである。

・29万7000人の透析患者にかかる総医療費は1.4兆円、日本の総医療費の3.7%である。 

・日本には予備軍を含めて糖尿病患者が2210万人いる。糖尿病型の慢性腎不全は増加の一途をたどっており、新たに透析に入る患者の4割以上を占めている。 糖尿病の約3割は腎症を発症する。

・保存療法を施す専門医は圧倒的に少ない。それは労多くしてもうからないからである。
現行の医療制度では透析患者を一人抱えると医師には年間医療費500万円が入るが、保存療法で得られる収入は最高で60万円ほどである。

・私の提案は、「保存療法」の指導管理料として1回の診察につき1万円ほどを健康保険から支払うようにすることである。糖尿病患者のインスリン自己注射の指導管理料として同様のシステムを導入して成功している。

 

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E. 民法(債権法)改正法案

現在国会審議中。法律が成立し、公布されてから3年後に施行される。

(消滅時効)

・債権の時効期間は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間。権利を行使することができる時から10年。
不法行為による損害賠償請求権は、被害者が損害及び加害者を知った時から3年。不法行為の時から20年。
生命・身体侵害による損害賠償請求権は、債務不履行による場合は、それぞれ5年と20年。不法行為による場合は、それぞれ5年と20年。
現行民法170条~174条の短期消滅時効(1年~3年)は、廃止。

・協議を行う旨の合意があった時は、合意から1年間、時効は完成しない。
途中で協議の拒絶の通知があったときは、その時から6ヶ月。
合意の更新はできるが、あわせて5年間まで。

 

(根保証)

・極度額規制は、貸金等債務の根保証に限らず、取引債務や賃貸借の保証にも適用される。
ただし、元本の確定事由として、賃貸保証の場合には、主債務者(借主)の破産は適用されない。

・事業資金の借入れの場合(「事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約」)に、第三者が根保証人になるときは、公証人による保証意思の確認が公正証書により行われることを要する。
経営者が保証人になるときは、保証意思を確認するまでもないから、公正証書は必要でない。
経営者とは、主債務者が法人の場合の役員、主要株主。主債務者が個人の場合の共同事業者。共同事業者には、「事業に現に従事している主債務者の配偶者」が含まれる。

・「経営者保証に関するガイドライン」(平25/12 制定、平26/2 施行)は、主債務と一体に保証債務を整理する場合に、早期事業再生、早期廃業をしたことにより債権者の回収額が増えたときは、その増えた範囲内で、保証人の残存財産を認めようとする。「99万円」プラス「一定の生計費」プラス「華美でない自宅」を残すことを認める。経営者は、破産をしなくても、保証債務の整理ができ、しかも、破産の自由財産以上の財産を残せるメリットがある。

 

(法定利率)

・3%、その後は3年ごとに見直し。
中間利息は、損害賠償請求権発生時の法定利率を適用する。

 

(相殺)

・不法行為債権を受動債権とする相殺の禁止は、次の場合に限られる。
(イ)悪意による不法行為に基づく損害賠償債務
(ロ)人の生命身体の侵害に基づく損害賠償債務

・差押えを受けた債権を受動債権とする相殺
511条
1差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押え債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗できる。
2前項の規定にかかわらず、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは、その第三債務者は、その債権による相殺をもって差押え債権者に対抗することができる。ただし、第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。」
倒産手続開始の場合に合わせた。

 

(譲渡禁止特約付の債権譲渡)

・466条
2「当事者が債権の譲渡を禁止したときであっても債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」
3「譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済をもってその第三者に対抗することができる。」
4 前項の第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、その期間内に履行がないときには適用しない。
466条の2 債務者は右の金額を供託できる。
466条の3 譲渡人が破産したときは、譲受人は、債務者に対し右の金額を供託させることができる。

・466条の4 債務者は、譲渡人の差押債権者に対しては以上の規定を対抗できない。
譲受人が譲渡制限の意思表示のされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった場合においては、債務者は、譲受人の差押債権者に対して、弁済を拒み、かつ、譲渡人に対する弁済を以て対抗できる。

 

(債権譲渡と相殺)

・469条「債務者が対抗要件具備時より後に取得した譲渡人に対する債権であっても、 次に掲げるものであるときは、相殺をもって譲受人に対抗することができる。
1 対抗要件具備時より前の原因に基づいて生じた債権
2 譲受人の取得した債権の発生原因である契約に基づいて生じた債権」

 

(売買における瑕疵担保責任)

・562条「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求できる。」
563条 前条の履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求できる。
566条「売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。」

 

(詐害行為取消権)

・取消債権者が取消訴訟を提起したときは、遅滞なく債務者に訴訟告知しなければならない。
詐害行為取消請求を認容する確定判決は、債務者及びその全ての債権者に対してもその効力を有する。
受益者及び転得者(複数の転得者が存在する場合には全ての転得者)が、取得、転得の当時、それぞれ詐害行為の事実を知っていたことが必要である。

 

(請負の瑕疵担保責任)

・目的物の不適合を「知った時から1年以内に」請負人に通知しなければならない。ただし、請負人がその不適合を知り、又は重大な過失により知らなかったときは、適用しない。

・建物その他の土地工作物の瑕疵に関する特則は廃止。

 

(賃貸借)

・不動産の賃借人は、対抗要件を備えた場合には、不動産の占有を妨害している第三者に対して妨害の停止または返還の請求ができる。

 

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