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国際取引

A. 新国際私法(「法の適用に関する通則法」)

1. 契約

・法律行為の成立及び効力は、当事者の選択した準拠法による、との原則は維持する(7). ただし、黙示の合意が認められる余地はある。

・当事者による準拠法の選択がない場合は、 法律行為に最も密接に関係する地の法による。(8①)

・その法律行為に特徴的な給付(売る物、提供するサービス、作る物、等)を行なう者の常居所地法が、最も密接に関係する地の法と「推定」する。(8②)

・消費者契約の特例(10)「消費者がその常居所地法中の特定の強行規定を適用すべき旨の意思表示を事業者に対して表示したとき」.  労働契約の特例(12)

 

2. 不法行為

・不法行為によって生ずる債権の成立及び効力は、 侵害の結果が発生した地の法律による。 (17①)
PL責任は、 被害者が生産物の 「引渡しを受けた地」の法。 (18)

・不法行為が当事者間の契約に違反してなされたときのその契約の準拠法など、
それらより明らかに、 より密接な関係を有する他の法がある場合には、 その他の法。(20)

・日本の不法行為法によっても不法行為になる範囲においてのみ認められる。(22)
(経済界からの強い要望により維持されたが、 強い批判はある。)

 

3. 船舶先取特権

外国籍船舶の差押えは、仮差押えによるのが実務上一般であるが、船舶先取特権(法定担保物権)に基づく船舶競売の申立をする方が簡便であり、保証金を要しない。

船舶先取特権の範囲や仕組みは、各国によってかなり違う。英国法と米国法における船舶先取特権については、拙著「船舶と債権者 – 英米日法の比較」(日本海運集会所 昭63) に詳しい。

船舶先取特権の準拠法については、旧法下で諸説があり、新法によっても決着がつけられなかった。

学説の多くは、被担保債権の準拠法と船舶の所在地法(それについても旗国法と船舶の現実の所在地法の二説がある。)との重複適用とする。

日本で差押さえられた動産(船舶)の現在の所在地は日本である。のちに船舶が担保を積んで解放されても、差押え手続は提供された担保の上に継続されるから、現在地たる日本法が継続して適用される。

東京地裁では法廷地法(船舶の差押え地法)一本とするのが定着しているようである。(東京地決平3.8.19判タ764、同平4.12.15判タ811)もっとも現在でも維持されているかどうかは知らない。これによると外国法を顧慮することなく、日本の船舶先取特権(法定担保物権)に該当することを証する文書を提出するだけで、判決をとることも保証金を積む必要もないから簡便である。外国船を差し押さえるのには、従来の仮差押えによるのでなく、船舶先取特権に基づいて差し押さえる実務を定着させるべきであろう。

もっとも定期傭船者が日本にあるときは、日本に特有の現象として、商法704条により、船舶や船舶所有者でなく端的に定期傭船者に対して請求する方法もある。(衝突責任につき最判平4)

船籍法を適用すべき場合に、パナマ等の便宜置籍国については、英国や米国では実質的な所有者の国の法を適用する

判例となっている。(詳しくは拙著)日本でもいずれそうなるだろう。

船舶差押えの手続については、「民亊手続  C民事執行  3.船舶執行」を見よ。

 

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