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刑法

A. 総論

1. 刑の変更・廃止

「犯罪後の法律のよって刑の変更があったときは、その軽いものによる。」(6条)
「犯罪後の法令により刑が廃止されたとき」は、免訴の言渡しをする。(刑訴337条2号)
限時法には適用されないとの学説や判例があるが、そうしたいのであれば、限時法自体にそう規定しておくべきである。

 

2. 原因において自由な行為

・「多量に飲酒すると病的酩酊に陥り、よって心神喪失の状態において他人に犯罪の害悪を及ぼす危険ある素質を有する者は、常に右心神喪失の原因となる飲酒を抑制するなど右危険の発生を未然に防止するよう注意する義務がある。しからば、原判決認定のように、 本件殺人の所為は被告人の心神喪失時の所為であったとしても(イ)被告人にしてすでに前示のような己れの素質を自覚していたものであり、且つ(ロ)本件事前の飲酒につき前示の注意義務を怠ったがためであり、 被告人は過失致死の罪責がある。」(最大判昭26)
・「運転手が飲酒酩酊に基く心神耗弱状態で自動車を運転した場合、飲酒の際に酒酔い運転をする意思があった以上、原因において自由な行為として取扱い39条2項の必要的減軽はしない。」(最決昭43)

 

3. 正当防衛

盗犯等防止法「故なく人の住居・・・に侵入したる者又は要求を受けて・・・退去せざる者を排斥せんとするとき」「自己又は他人の生命、身体又は貞操に対する現在の危険を排除するため犯人を殺傷したるとき」は、正当防衛とする。

 

4. 共謀共同正犯

「たとえば、暴力団の親分が部下に命じて犯罪を行わせるような場合には部下に対して優越的な強い支配力をもっており親分をも共同正犯と認める余地がありましょう。わたくしはこれを優越支配共同正犯と呼んでいます。しかし、事実上、特に優劣のない平等の立場に立つもの同士が犯罪を共謀し、その一部の者が実行を担当した場合には、単なる共謀者は、その共謀行為の性格に応じて実行担当者に対する教唆者または幇助者として取り扱うのが妥当であると思います。」 (大塚仁)

 

5. 共犯と身分

「身分により特に刑の軽重あるときは其の身分なき者には通常の刑を科す」(65条)

 

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B. 各論

1. 自殺関与罪(202条)

「被害者は被告人の欺もうの結果被告人の追死を予期して死を決意したものであり、その決意は真意に添わない重大な瑕疵ある意思であることが明らかである。このように被告人に追死の意思がないに拘わらず被害者を欺もうして被告人の追死を誤信させた被告人の所為は通常の殺人罪に該当する。」(最判昭33)

 

2. 堕胎罪

「自然の分娩期に先立ち人為をもって胎児を母体より分離せしめるにより成立し、胎児が死亡すると否とに関係がない。」(大判明42)

「被告人は、女性の依頼により堕胎行為を施し予期に反して生まれた男児を殺害したのは、堕胎罪と殺人罪の併合罪である。」(大判大11)

 

3. 「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」

指定暴力団の暴力団員が、暴力団の威力を示して、金品の要求、債権の取立て、不動産明渡しの要求、示談交渉など(9条列記)をしたときは、県公安委員会は、当該行為の中止命令または1年以内の再発防止命令を出すことができる(11条)。

この命令に違反したときは、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する(46条)。

平成14年に、中止命令は2740件、再発防止命令は141件出された。

 

4. 「ストーカー行為禁止法」

つきまとい、脅し、無言電話、交際の要求など(2条列記)のストーカー行為を禁止する。

警察署長は、ストーカー行為をやめることを「警告」する(4条)。緊急の必要があるときは、「仮の命令」(15日間だけ有効。)を発することもできる(6条)。

「警告」に従わないとき、県公安委員会は、そのストーカー行為の「禁止命令」を発することができる(5条)。

ストーカー行為をした者は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処する(13条)。

「禁止命令」に違反した者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処する(14条)。

 

5. 道交法改正(平19・9から)

(1)罰則強化

酒酔い運転 5年以下の懲役または100万円以下の罰金
酒気帯び運転 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
飲酒検知拒否 3月以下の懲役または50万円以下の罰金

 

(2)飲酒運転幇助

飲酒運転をするおそれのある者への酒類提供
運転手が酒気をおびていることを知りながら、自己を運転することを要求または依頼して乗車すること。

運転手が酒酔い運転の場合 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
運転手が酒気帯び運転の場合 2年以下の懲役または30万円以下の罰金

 

(3)自転車

車道通行が原則、児童幼児は歩道通行。

 

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